化学肥料を作るなどを行った事から、
“農芸化学の父”と言われるリービッヒ(1803~1873)による、
『ドべネックの桶』理論というのがあります。
植物の生長速度や収量は、必要とされる栄養素のうち、
与えられた量の最も少ないものにのみ影響されるという説です。
これは植物について書かれた説ではあるが、人にも当てはまると思います。
上の図がドべネックの桶で、小麦に含まれるアミノ酸と、
理想的なアミノ酸バランスを、桶を構成する板に置き換えて表したものです。
アミノ酸はタンパク質の原料なので、
小麦でアミノ酸を摂ろうとするとリシンが不足していて良質なタンパク質が作れないということになります。
健康事業をしている私が、身体の不調と無縁という話をすると、
どうしてそんなに元気なのか?と聞かれます。
私は、アミノ酸のみならず、ほかの栄養素はもちろん、
自律神経や精神的なことまですべて頭の中でドべネックの桶をイメージしているから。
と答えるのですが、十中八九ポカンとされます。
また、「体質改善したい」「病気にならないように免疫力を高めたい」という人がいます。
そして、ふたこと目には「何を食べればいい?」と聞いてくるのです。
いわゆる現代の三大栄養素を軸にした栄養学の内容で、
身体を健康にするための良い食材というのを私はお伝え出来ません。
三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)は、身体を構成する上で欠かせない材料ではありますが、
加工されなければ役に立ちません。
どれだけ三大栄養素をやりくりしても、必ずどこかに歪みが生じて決して健康にはなれません。
材料を加工するのが「栄養」なのです。
極論、三大栄養素は「栄養」ではないということです。
体質改善したい、免疫力を高めたいというなら、まず自分のドべネックの桶の状態を認識することです。
少なくとも、ビタミン、ミネラルは必須栄養素です。
それらの何が足りていて、何が足りていないのか。
これは、その時点で感じている不調を挙げていけば、おおよそ見当はつきます。
次に、自分の健康のために不必要なものを排除します。
先述のとおり、加工できない余分な材料は不要です。
炭水化物・脂質・タンパク質から過剰な分を摂らないようにしましょう。
併せて、ジャンクフードや清涼飲料水などに含まれる添加物も不要です。
要するに、お腹いっぱい食べすぎるな!ということです。
大半の人はここで体質改善へのとりくみを挫折しますが、
これが健康のためにおこなう「引き算」です。
そうして不要だと思われるものを排除すると、体調に変化が現れます。
良くも悪くも、それを好転反応と言います。
とても気持ち良いこともありますし、不快な反応もあります。
その不快な反応を深堀りしましょう。その反応もおそらく栄養失調です。
そこで初めて、栄養の「足し算」をすることになります。
不快な反応が消えるように必要な栄養素を補うのです。
体質改善を思い立ったらおこなうべきことは・・・
いつもドべネックの桶イメージして、栄養の過不足を客観的に認識
↓
栄養ではないものを必要最低限まで排除する
↓
現れた不快症状が消えるような栄養素を摂りこむ
長い時間かけてつくられた体調は、そう簡単には改善できません。
それまでの生活習慣をあらため、以前に戻りたくなる誘惑に打ち勝ち、
焦らず地道に実践すれば必ず体質改善を果たせます。
私は糖尿病克服にあたって、それを実感しているので断言できます。
何が栄養で何が栄養でないのか、何が必要で何が不要なのか、
この不快症状はどの栄養が足りていないからなのか…
一般のかたには分かりかねると思います。
ですから私のような人間がいてお手伝いするのです。
もちろん、体質改善に必要な経費、対価は頂戴しますが、
それでも変わりたいと本気で考える人はぜひ一度ご相談いただければと思います。