「酵素(こうそ)のムダづかいは寿命を縮めますよ」

という話をすると、

「酵素ドリンク飲んでるから大丈夫」

とトンチンカンなことを仰る人がほとんどです。

何がトンチンカンか分かりますか?

分からない人は酵素について間違った認識をしているので改めてください。

 

①酵素がなくなった時に人は死にます。

生命維持機能に関わる【代謝酵素】が尽きたということです。

 

②その人がどれくらいの酵素をつくれるかは遺伝子情報しだいです。

つまり、産まれたときに一生で使える酵素の量が決まっていると言えます。

 

③遺伝子情報からつくられる酵素は、「代謝酵素」と「分解酵素」に必要に応じて振り分けられます。

代謝酵素は、血流や細胞修復に関わるので、生命維持に不可欠です。

分解酵素は、主に食べたものを消化・吸収するのに使われます。

代謝酵素と分解酵素は、相対関係です。

暴飲暴食が過ぎると分解酵素ばかりが消費され、代謝酵素が減ります。

ファスティング(断食)は、胃腸負担が減って分解酵素が減るので、相対的に代謝酵素が増えて元気になるのです。

アスリートに選手生命の長短があったり、そもそも短命であったりするのは、カラダをつくるための食事とトレーニングで、代謝酵素も分解酵素もどんどん減ってしまうからです。

 

④酵素ドリンクや酵素サプリメント、食品から体内酵素は補えません。

それでアンチエイジングや長寿を謳う商品があるとしたら、それは嘘です。

では冒頭の、酵素ドリンクの酵素は何かというと、原材料になっている食材そのものが持つ酵素です。

例えばリンゴは、皮を剥くのと剥かないのとどちらが「リンゴの栄養」を摂れていることになるでしょう?

『一物全体』という言葉がありますが、それで考えれば、皮を剥かないで食べるほうが「リンゴを食べている」ということになります。

リンゴは皮を剥くと酸化して変色します。少なくとも皮に抗酸化の役割があるのは間違いありません。

その抗酸化作用はリンゴの持つ酵素の働きによるものです。

ですから仮に、酵素ジュースにリンゴを皮を剥かずに丸ごと使用して飲んだとすると、リンゴの栄養をすべて摂り込めたということになります。

それ以上でもそれ以下でもありません。

それで体内酵素が増えるとか、減ったものを補えるという話ではありません。

酵素ドリンクなど食品の酵素は、食材の栄養を効率良く分解・吸収するために作用する酵素であると結論づけます。

その結果、分解酵素の節約になり、アンチエイジングに繋がる可能性はあるかもしれませんが、食品の酵素自体が体内酵素の代わりになることはありません。